教育コンテンツです。 本記事はストップアウト水準とは何か、CFD口座で強制決済がどのように機能するかを定義するものです。投資助言や取引の推奨を構成するものではありません。CFD取引には大きな損失リスクが伴い、すべての投資家に適しているとは限りません。
ストップアウト水準は、ブローカーがレバレッジ口座に引く最後の一線です。その線より上ではトレーダーが何をいつ決済するかを決め、その線に達するとプラットフォームが決めます。線がどこにあるのか、口座がそこへ達したときプラットフォームがどう振る舞うのか、そして手元のポジションにとってその線がどれだけ離れているのかを把握しているかどうかが、負けている取引を自分で管理するのか、それとも管理されるのかの分かれ目になります。
本記事では、ストップアウト水準を定義し、証拠金維持率の計算方法を示し、その水準でMT5が正確に何を行うのかを説明します。さらに、2つのレバレッジ比率でゴールドのポジションがストップアウトまでどれだけ離れているかを計算例で追い、ストップアウトをマージンコールおよびストップロスと区別します。
ストップアウト水準とは?
ストップアウト水準とは、評価損がポジションを支える担保のすべてを消費してしまわないよう、ブローカーの取引プラットフォームが顧客の保有ポジションを自動的に決済し始める証拠金維持率の水準です。
この水準は証拠金維持率のパーセンテージで表され、口座ごとにブローカーが定めます。評価損を抱えたポジションが口座の証拠金維持率をそのパーセンテージまで引き下げると、プラットフォームはトレーダーからの指示を一切待たずにポジションを決済し、証拠金維持率がその水準を上回って回復するか、保有ポジションがなくなるまで続けます。ストップアウトは罰則ではなく、任意に選べるものでもありません。レバレッジ口座が担保を完全に使い果たしてしまうことを防ぐ仕組みです。
Vantoでは、ストップアウト水準はスタンダード口座とRaw口座のいずれも50%です。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率は、有効証拠金を使用証拠金で割って100を掛けた数値であり、口座の現在の価値が保有ポジションの拘束する担保を何倍カバーしているかを表します。
証拠金維持率(%) = 有効証拠金 ÷ 使用証拠金 × 100
有効証拠金は、口座残高に保有ポジションの評価損益を加減した金額で、ティックごとに動きます。使用証拠金は保有ポジションが拘束している担保で、ポジションを保有している間は固定されます。有効証拠金が6,000 USD、使用証拠金が860 USDの口座であれば、証拠金維持率は約698%です。評価損によって有効証拠金が430 USDまで減ると、証拠金維持率は50%となり、Vantoではこれがストップアウトです。
取引における証拠金とはでは、有効証拠金、使用証拠金、余剰証拠金を余さず定義しています。本記事ではこれらを改めて導出せずに用います。
ストップアウト水準に達すると何が起こるのか
証拠金維持率がストップアウト水準に達すると、MT5は評価損が最も大きい保有ポジションを現在の市場価格で決済し、証拠金維持率を再計算し、その水準を再び上回るまで同じ手順を繰り返します。
この一連の流れには、初めて目にするトレーダーが驚く3つの帰結があります。第一に、決済は成行で、その時点で約定可能な価格で行われるため、値動きの速い相場では、水準を割り込んだ時点の価格より不利に約定することがあります。これは取引におけるスリッページとはで説明しているとおりです。第二に、最も損失の大きいポジションから先に決済されます。それはトレーダーが最も回復を期待していた可能性の高いポジションです。第三に、1つのポジションを決済するとその使用証拠金が解放されて証拠金維持率が上がるため、複数のポジションを保有する口座では1つか2つを失うだけで、残りは保有されたままになることがあります。したがってストップアウトは、口座が丸ごと閉じられることと同じではありません。担保が再び十分になるまで、プラットフォームがエクスポージャーを削っていく仕組みです。
ストップアウトは、トレーダー自身が相場を見ている時間帯の外でも起こりえます。週末の窓や夜間の指標発表がその例です。プラットフォームは市場が開いている間、証拠金維持率を継続的に評価しているためです。
計算例:XAUUSDのストップアウトはどれだけ離れているか?
6,000 USDの口座でXAUUSDを1ロット取引する場合、ストップアウトまでの距離は1:100のレバレッジで1オンスあたり約38.50 USD、1:500では約55.70 USDですが、1:500で5ロットならわずか約7.70 USDです。
この計算例では、ゴールド価格を4,300 USD、契約サイズを100トロイオンスとします。したがって想定元本は1ロットあたり430,000 USD、0.01の値動きの価値は1ロットあたり1 USDです。ストップアウト水準にはVantoの50%を用います。
| シナリオ | 使用証拠金 | ストップアウト時の有効証拠金(50%) | 発動に必要な損失 | ゴールドの逆行幅 |
|---|---|---|---|---|
| 1ロット、1:100 | 4,300 USD | 2,150 USD | 3,850 USD | 1オンスあたり38.50 USD(約0.9%) |
| 1ロット、1:500 | 860 USD | 430 USD | 5,570 USD | 1オンスあたり55.70 USD(約1.3%) |
| 5ロット、1:500 | 4,300 USD | 2,150 USD | 3,850 USD | 1オンスあたり7.70 USD(約0.2%) |
ここから2つのことが導かれます。ポジションサイズを固定した場合、レバレッジが高いほど拘束される証拠金は少なくなるため、ストップアウトはより遠くなり、プラットフォームが介入するまでに口座はより大きな損失を吸収できます。ただし、その大きな損失もやはり損失であり、2行目ではそれが口座の93%にあたります。高いレバレッジの危険は3行目にあります。同じ6,000 USDが1:500では5ロットを支えられ、5ロットではゴールドの1%の4分の1にも満たない値動き、指標発表のある日ならごく普通の1時間で起こる程度の動きが、ストップアウトを発動させます。ストップアウトまでの距離は、口座が有効証拠金に対してどれだけの想定元本を抱えているかによって決まり、レバレッジはその想定元本を膨らませることを可能にするものです。レバレッジは、それらのロット一つひとつについて、利益と損失の両方を拡大させます。
430,000 USDという想定元本がどこから来るのかは取引における契約サイズとはで説明しています。また取引計算ツールでは、任意の銘柄と数量について、ライブ価格での使用証拠金を確認できます。
ストップアウトとマージンコールの違い
マージンコールは、証拠金維持率が1つ目の高いほうの水準まで低下したことを知らせる警告であり、ストップアウトは2つ目の低いほうの水準で実行される処理です。マージンコールは何も決済しませんが、ストップアウトは決済します。
MT5では、証拠金維持率が口座に設定されたマージンコール水準を下回ると、ターミナルの口座行がハイライト表示されてマージンコールが示されます。この水準はストップアウト水準より上にあります。ポジションは保有されたままで、トレーダーは資金を入金して有効証拠金を引き上げるか、ポジションを決済して使用証拠金を解放することで対応できます。どちらも行われず、相場が口座に不利な方向へ動き続ければ、証拠金維持率はストップアウト水準に達するまで下がり続け、そこからはプラットフォームが引き継ぎます。取引における証拠金とはでは、他の証拠金の数字と合わせてマージンコールを扱っています。Vantoではマージンコール水準が100%、ストップアウト水準が50%です。有効証拠金が使用証拠金と同じ水準まで減ると警告が表示され、その半分まで減ると強制決済が始まります。
ストップアウトとストップロスの違い
ストップアウトは、担保が不足したときにプラットフォームが口座単位で発動させるものであり、ストップロスは、トレーダーが特定のポジションに特定の価格で出す注文です。両者はたまたま同じ言葉を共有しているだけの、互いに無関係な仕組みです。
ストップロスは、口座の他の状態にかかわらず、価格がトレーダーの選んだ水準に達した時点でそのポジション1つを決済します。ストップアウトは、トレーダーが念頭に置いていた価格にかかわらず、口座全体の証拠金維持率が50%に達した時点で、最も損失の大きいポジションを決済します。ストップアウトをストップロスの代わりとして扱うことは、使用証拠金のおよそ半分、場合によっては口座の大部分を失うまで何も決済されないこと、そしてどのポジションを手放すかをトレーダーではなくプラットフォームが選ぶことを受け入れる、という意味になります。週末をまたぐゴールドや寄り付きの指数のように窓を開けうる銘柄では、ストップアウト時の損失が50%という水準から想定される金額を超えることもあります。
ブローカーごとにストップアウト水準が異なる理由
ストップアウト水準はブローカーによって異なり、一般的には20%から100%の範囲に設定されます。介入するまでに評価損が顧客の担保をどこまで消費することを許容するかは、ブローカーごとの判断だからです。
ストップアウト水準が高いほど決済は早く行われ、口座により多くが残ります。水準が低いほどポジションには余裕が与えられ、残る金額は少なくなります。どちらが常に安全というわけではありません。高い水準は本来なら回復したはずのポジションを決済してしまうことがあり、低い水準は動き出す前に口座をほぼ空にしてしまうことがあるためです。重要なのは、自分に適用される数値を知っておくことです。Vantoは、両口座タイプとも50%というストップアウト水準を口座タイプページで公開しており、MT5の口座仕様にも表示されます。
よくある質問
Vantoのストップアウト水準は何%ですか?
Vantoのストップアウト水準は、スタンダード口座とRaw口座のいずれも50%です。口座の証拠金維持率が50%まで低下すると、MT5は評価損が最も大きいポジションから順に、自動的な決済を開始します。
証拠金維持率が何%になるとストップアウトが発動しますか?
ストップアウトは、有効証拠金を使用証拠金で割った証拠金維持率が、ブローカーの定めるストップアウトのパーセンテージまで低下したときに発動します。ストップアウト水準が50%であれば、評価損によって有効証拠金が保有ポジションの拘束する証拠金の半分まで減った時点がそれにあたります。
ストップアウトではすべてのポジションが決済されますか?
必ずしもそうではありません。MT5はまず評価損が最も大きいポジションを決済し、そのうえで証拠金維持率を再計算します。そのポジションの決済で解放される証拠金が、維持率をその水準より上へ戻すのに足りていれば、残りのポジションは保有されたままです。足りなければ、次に損失の大きいポジションが決済され、以下同様に続きます。
マージンコールとストップアウトの違いは何ですか?
マージンコールは、より高い証拠金維持率の段階で出される、何も決済しない警告です。ストップアウトは、より低い証拠金維持率でポジションが自動的に決済されることです。マージンコールは、ストップアウトが作動する前に資金を追加したりエクスポージャーを減らしたりする機会をトレーダーに与えます。Vantoではマージンコール水準が100%、ストップアウト水準が50%です。有効証拠金が使用証拠金と同じ水準まで減ると警告が表示され、その半分まで減ると強制決済が始まります。
ストップアウトを避けるにはどうすればよいですか?
ストップアウトは、証拠金維持率をその水準より十分に高く保つことで回避されます。実際には、有効証拠金に対して想定元本のエクスポージャーを小さく保ち、評価損が使用証拠金に近づく前に損失を抱えたポジションを決済するということです。ポジションサイジングとストップロス注文が、口座をその線から遠ざける道具です。ストップアウトは、それらが使われなかったときに起こることです。
ポジションを建てる前に線がどこにあるかを知る
Vantoの取引計算ツールは、任意の銘柄と数量について使用証拠金を表示します。この数字と口座の有効証拠金があれば、証拠金維持率と50%のストップアウトまでの距離はそのまま導けます。証拠金維持率の背後にある担保の概念については取引における証拠金とはと取引におけるレバレッジとはを、1ロットがどれだけの想定元本を持つかを決める乗数については取引における契約サイズとはをご覧ください。デモ口座では、資金をリスクにさらすことなく、証拠金維持率がリアルタイムで動く様子を確認できます。
リスク警告。 証券、先物、オプション、差金決済取引(CFD)は、知識と理解を要する複雑な金融商品です。価格は大きく変動することがあり、証券が無価値になる場合もあります。投資家は利益の可能性を上回る損失を被ることがあります。証拠金を用いた取引では、当初の預入額を超える損失が生じる可能性があります。過去の成績は将来の成績を必ずしも示すものではありません。本記事の情報は教育目的のみのものであり、投資助言、推奨、または金融商品の売買の申し出を構成するものではありません。CFD取引がご自身の状況に適しているかをご検討のうえ、必要に応じて独立した助言をお求めください。